偶有性幸福論

対談の理想的形。個性の強い2人が対談によりお互いを触発しあい新しい言葉、新しい考え方を作っていく。読んでいて幸せな気分になった。
江原さん−想像力とは愛、神とは”恐れ多く賢きもの”、陰徳
茂木さん−「亡くなった人の実在性をどう考えるか」以外に人生の本質的な問題はないのではないか。目に見えないもの手に取れないものの価値を信じられる人が文化をつくる、偶有性とは「人生何が起こるか分かんない」ということで、これを楽しめる覚悟があればHappy。偶有性という覚悟を支えるのに大事なのは「安全基地」
江原さん−いかに世の中に還元するか、物質的価値観を捨てる勇気

p107から
茂木 心霊現象とかは、正直言って分からない。あるかもしれないけど分からないという立場なんです
江原 言葉を替えれば私が重んずる心霊現象は霊が出たうんぬんよりも、偶有性における心霊現象なんですよ
茂木 おお、そうなんですか
江原 うん。要するに偶有性の中に神秘を感じるかどうかなんですよ
茂木 それは僕は感じますよ
江原 そこでまた別の意図、意思を感じるかどうかなんです
茂木 ああ、それは大事だ、なるほど
江原 分かりますでしょう
茂木 分かった。今何か通じちゃったんですよ(笑)
江原 通じた瞬間です
茂木 意思を感じるんですか
江原 意思を感じるわけです
茂木 それは面白い。ちょっと今、個人的に今の発言は来ました。なるほど
江原 同じくこの会場の中でも、例えば偶有性の中で何が起きるか分からない、その中で「いや、これは何かの意思が働いている」と思ったこととか感じたことのある人っていますか、人生の中で
茂木 それはすごく面白いです。つまり科学的世界観っていうのは、意思とかそういうものっていうのは人間、生物にしかないっていう前提でやっているんですよ。だから、偶有性の中にほかの意思が介在するっていうことは全く想定してない、宇宙の在り方としては
江原 なるほど
茂木 それは面白いですね。それは学問的に大いにありですね
(中略)
江原 私はよく言うんですけどつまづくことの大切さ。楽しいときにみんな「どうして今日こんなに楽しいんだろうか」って悩む人はあまりいないですよね。それでつまずいたときだけ「どうして私はつまずくんだろうか」って悩むんですよ
茂木 なるほど、まあそうでしょうね
江原 そうでしょう。だからその波の中でもそのつまずいたときこそ、どうして自分はそうなんだろうかと初めて自分をみつめようとしだすんですよ。でもそれを何度か繰り返していくと、その乗り越える中でその意思を感じるときがあるわけですよ
茂木 なるほど
江原 前回とまた違う形、けれどもまたなぜ同じようなこういうことになったのか
茂木 面白いですね
江原 また再びなぜあの人に出会ったのか
茂木 うん、それはちょっと宿題として考えさせてください。かなり面白いとおもいます

偶有性幸福論。 (エンジン01選書)

偶有性幸福論。 (エンジン01選書)