検索バカ

「考える」ことって難しくて、つい他人の意見についていってしまう。本を読むことが大事なんじゃなくてそこから考えることが重要なんだけど、なかなか先に進めない。考えること、それをoutputすることを今年の重点課題としたい

p219思考をつかさどるのはいうまでもなく言葉です。考えるということは、自分の言葉を探すということでもあります。他人の言葉を借りながらも、どこかで自分の言葉に着地させなくては考えたことになりません。
私はこの本のなかで、人々が自分の思考をショートカットして、他者に解決策や結論をゆだねる傾向を批判的に指摘しました。
理由は自分の思考、考えをスルーして簡単に手に入れた言葉は、結局その人を救うことも、助けることもない、と思うからです
「どうしたら自分で考えられるか」そう問われたとき私には満足させられるだけのノウハウはありません。ただいえることは、
「どうしたら自分で考えられるかを、考えることから始めるしかない」ということです。
クウキに乱されることなく自分の思考や感情に濾過されつかみとられた言葉は聞き手や読み手をも揺り動かす。たとえネットやケータイメールという簡便なメディアであってもそのような言葉は人を打つものですし自分を支えるものです
p227カフカは言葉についてこういっています
「言葉はわれわれの内部にある不壊なるものの衣装であり、この衣装のほうがわれわれよりも生き延びるのです」
力のある言葉は私たちの肉体が滅んでも生き延びる。こうした言葉が力のある対話を生んでいくのだと思います。
私たちはむやみに言葉の力や対話の力などを信じることはできません。言葉そのものに力があるのではなく「力のある言葉」があるのです。対話そのものに力があるのではなく「力のある対話」があるのです
人は「考え抜く」という営みによってこそ自分の言葉を獲得し自分の「生」をまっとうすることができるのです

検索バカ (朝日新書)

検索バカ (朝日新書)

日本語が亡びるとき

<叡智を求める人>はもはや英語に吸収されざるを得ず、個人として生き方を考えると「大図書館」に直接出入りするために英語を自身のものにするしかない。「思考」するうえで日本語は今後も使っていくが、英語で同レベルまで行き、平行して考えていけるようこの1年で学んでいく

日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で

日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で

戦略の本質

戦略も人がつくる以上、その人以上のものは作ることができないわけで、結局リーダーが長期的視野を持って明るい将来を語れるかどうかが戦略の本質になるのではないかと感じた。
p420人間は主体的にコンテクスト(文脈ないし脈絡)や状況を察知しその意味を言語化しダイナミックなコンテクストの中で持てる知識や技能を行使していく。つまり人間の世界は客観的事実ではなくその都度のコンテクストに依存する「解釈」により成り立っている。
「要するに思考は現象より重要であり、思考は現象に先行する。さらに言えば理念が人間にどう作用するかより人間が理念に向かって何を為すかがより重要であり現実的であるのだ」
戦略10の本質
1.戦略は「弁証法」である ヘーゲル弁証法で言えば、戦略は絶えず「正」「反」「合」のプロセスで生成発展しているといえる。彼我のダイナミックな相互作用を把握し大戦略、軍事戦略、作戦戦略、戦術、技術の重層関係の矛盾を綜合するのが戦略である−毛沢東・バトルオブブリテン
2.戦略は真の「目的」の明確化である いかなる戦争も政治目的に奉仕しなければならない。したがっていかなる戦争も政治指導者によって決定され、指導され、方向づけられなければならない。
3.戦略は時間・空間・パワーの「場」の創造である 毛沢東−根拠地 北ベトナム−ジャングル サダト−「限定戦争戦略/局地空中優先圏」 「戦いには必ず勝てる機会がある。それをつかんで全力で立ち向かっていけば道は開ける」
4.戦略は「人」である リーダーシップの本質は誰を選ぶか、誰を持ち上げるか、誰を抑えつけるか、誰の首をすげかえるかの判断を伴う人事である
5.戦略は「信頼」である
6.戦略は「言葉」である
7.戦略は「本質洞察」である
8.戦略は「社会的に」創造される
9.戦略は「義」である
10.戦略は「賢慮」である 賢慮型リーダーは個人の全人格に身体化している高質の暗黙知を認識と実践の「徒弟制度」を通じて組織の全レベルのリーダーに伝承し自律分散型リーダーシップを発揮させ組織のソフトパワーを最高度に発揮させる。
賢慮型リーダーシップの五つの能力
①他者とコンテクストを共有して共通感覚を醸成する能力
②コンテクスト(特殊)の特質を察知する能力
③コンテクスト(特殊)を言語・概念(普遍)で再構成する能力
④概念を公共善(判断基準)に向かってあらゆる手段を巧みに使って実現する能力
⑤賢慮を育成する能力
p459戦略の本質は存在を賭けた「義」の実現に向けて、コンテクストに応じた知的パフォーマンスを演ずる自立分散的な賢慮型リーダーシップの体系を創造することである。

戦略の本質 (日経ビジネス人文庫)

戦略の本質 (日経ビジネス人文庫)

競争戦略論Ⅰ・Ⅱ

マイケルポーターの論文集。30年前に「five-force framework」を生み出し、今でも使われているのはやはり本質を突いているからだろう。1章競争要因が戦略を決めると2章戦略とは何かから抜粋
p33市場シェアをめぐる争いにおいては競争は競合企業という形でハッキリと現れるとは限らない。むしろ一つの業界における競争はその経済構造に根差しているのであり競争の要因は個々の業界における既存の競合企業を超えたところに存在する。買い手、供給業者、新規参入の機会を窺う企業、代替製品などは業界によってその明確さや活発さの点で差があるとはいえすべて競争参加者なのである。
p36競争要因のうち、最も強力なものが業界の収益性を決定する。戦略策定の際にもこれを最も重視しなければならない。(中略)どんな業界にもその根底には構造というものがある。つまり最も基本的な一連の経済・技術上の特性でありそれが競争要因を誕生させるのである。自社を業界の環境に適応させ、あるいは自社に有利になるようにその環境に影響を及ぼしたいと思うなら戦略担当者としてその環境を動かしているのは何なのか把握しておかねばならない。
p82戦略的ポジションは三つの異なる源泉から生まれる
第一に戦略的ポジションはその業界の製品サービスの一部分に特化することによって得られる。これは製品種類ベースのポジショニングと呼ばれるものである。なざならこのやり方は顧客セグメントではなく、製品・サービスの種類を選択することで成り立っているからである。製品種類ベースのポジショニングが経済的に成立するのは競合他社とは明確に異なる一連の活動を通じて特定の製品サービスを最もうまく生み出せる場合である
戦略的ポジショニングの源泉の二つ目は特定の顧客グループのほとんどの(あるいはすべての)ニーズを満たすやり方である。これはニーズベースのポジショニングと呼ばれるものである。これは従来からいわれている顧客セグメントのターゲティングに近いものである。このアプローチが適合するのはさまざまな異なるニーズをもつ顧客グループが存在し活動を調整することで彼らのニーズを最もよく満たせる場合である
戦略的ポジショニングの三つ目の源泉は顧客を彼らにアクセスできる方法に基づいてセグメンテーションするやり方である。ニーズの点では他の顧客と変わりはないが彼らに到達するための活動の最適な調整の仕方が他とは異なる。これはアクセスベースのポジショニングと呼ばれるものである。アクセスの手法は顧客の地理的な所在や規模で決まる。あるいはそれ以外の要素によって顧客に最適な形で到達するために他とは異なる活動が必要になる場合もある
p98この10年間でオペレーション効率は大きく向上したがそのなかでマネジャーたちはトレードオフを解消させることは良いことだという考えを取り入れてしまった。だがトレードオフが存在しなければ企業が持続的な優位を築くことはありえない。これまで以上に効率を向上させてもせいぜい現在の地位を維持できるだけということになってしまう
では、そもそも戦略とは何だろうか。トレードオフを考えればその答えの新たな側面が見えてくる。すなわち戦略とは競争上必要なトレードオフを行うことなのである。戦略の本質とは何をやらないかという選択である。トレードオフが存在しないなら何も選択する必要はなくなるし、したがって戦略も必要なくなる。その場合にはどんなによいアイデアでもすぐさま模倣されてしまうだろう。とするとやはり業績は全面的にオペレーション効率によってのみ決定されることになってしまう
p108最も効果的なポジションとはトレードオフゆえに他と両立し得ないような活動システムを伴うポジションである。戦略的ポジションが決まれば個々の活動をどう配置し統合するかを定義するトレードオフの原則も決まってくる。活動システムという観点から戦略を考えればなぜ組織構造やシステム、プロセスといった要素が戦略に固有のものでなければならないのかもいっそう明確になってくる。逆に戦略に合わせて組織を調整することで活動相互の補完性を実現し競争優位の持続に貢献するのである。
一つの示唆として戦略的ポジションは1回限りのプランニング期間だけでなく10年ないしそれ以上の視野をもたねばならないということが挙げられる。継続することにより個々の活動の改善も活動相互のフィットも進む。そうなれば組織として戦略に沿った独自の能力やスキルを構築することができるようになる。また継続性は企業としてのアイデンティティも強めてくれる。
戦略とは企業としての活動の間にフィットを生み出すことである。戦略が成功するかどうかは多数のものごとをうまくやり(少数ではいけない)しかもそれらを統合できるかどうかで決まってくる。活動がお互いにフィットしていなければ明確な戦略もありえないし競争優位もまず維持できない。そして経営は個々の機能を監督するという単純な仕事になってしまい組織の相対的な業績はオペレーション効率だけできまってしまうことになる。
p118オペレーション効率の改善も企業経営に欠かせない部分ではある。しかしそれは戦略ではない。マネジャーがこの2つを混同してしまうと多くの業界を競争による収斂に追いやってしまった競争観に逆戻りしてしまう。そんな状況は誰にとっても得にならないし、またそれは避けようと思えば避けられる事態なのである。マネジャーはオペレーション効率と戦略とをしっかりと区別しなければならない。どちらも不可欠だがそれぞれの課題は別物なのである。

競争戦略論〈1〉

競争戦略論〈1〉

競争戦略論〈2〉

競争戦略論〈2〉

ファシリテーション型リーダーシップが身につくスキル

内田君から借りた本、内田君ありがとう
合意形成に必要なものはTOCの理解ということかな。

p67「誰もが安心できる場」をつくるためにポジションパワーに注意し威圧的にならないように注意しよう
p92意思決定とコンセンサス
専制的 独断  意見を聞かずにリーダーが一人で決める
    説得  多数派(リーダー)の意見に従うよう働きかける
    調停  意見の食い違いを第三者が調整して妥協させる
    多数決 多数派の意見をもって結論とする
    コンセンサス 全員が支持できる一つの案を全員でつくり出す
民主的 完全合意 全員の考え方が100%一致するまで議論する
p113人は自分で出した答えでしか動かない
p141「創造的合意形成」創造的な合意形成のためには、両者が本質的に求めるものを見つけ出すことが大きなヒントになります。(中略)あまり賢くないやり方はどちらか一方の主張する価格を押し付けたり、足して2で割る価格で手を打つことです。
そこで少し視点を変えてみましょう。両者は何のために価格交渉をしているのでしょうか。その目的は商品の売買を成立させることにあります。(中略)その中であなたはどれを重量視して相手はどれにこだわっているのでしょうか。
もし互いの優先順位が食い違っていればあなたはあなたが一番重要なものを取り、相手に一番大切なものを譲ってあげるという「交換」が可能となります。(中略)こうすれば100%満足といかなくても一番大切なものを取り合ったのでかなり満足度は高いはずです。単に価格を分け合うよりも創造的な合意形成になります(交換によるアプローチと呼びます)
この時に大切なのは単に一番重要なものを交換するだけでなく相手に譲ったことで失ったものは別の手段で達成できないか「一緒になって」考えてみることです。代替案を一緒に考えることで一人では実現できないアイデアが生まれてきます。両者の協調関係が深くなり合意形成もしやすくなります。
さらにステップした方法もお話しておきましょう。(中略)両者が一緒になってあなたの会社の問題を考えたときに待った区別の方法での協力関係が築けるかもしれないのです。言い換えれば対立のおおもとを両者が一緒になってなくす方法を考えるのです(想像によるアプローチと呼びます)
このように合意形成においては本質的な目的を探し出しそれに対するさまざまな代替案を両者が一緒になって考えることが大変重要です。だからこそ代替案の話をする前に両者が互いの言い分を共感的に理解しあわないといけないのです。互いの深い理解と信頼関係なしに本質的な話はできず想像的な合意形成に向けての一連の流れはすべて繋がっているのです。




チェンジ・ザ・ルール

まさに自分達が抱えている悩みと同じ。商品ではなくバリューを売るという発想にいかに肉付けしてその方向に組織として向かうことができるか。
p183「ということは、・・・いちばんの問題は自分たちだったということか」スコットが言った。
「どういう意味だ?」
「レニー、クライアントに接しているのは、ゲイルの営業部隊とマギーのKPIソリューションズだ。この二つが問題かもしれない。ゲイルたち営業部隊は、テクノロジーを売るという感覚が心地よすぎて、バリューを売るという考え方に彼女たちの頭を切り替えさせるのは容易ではないだろう」
「それは、僕も気づいていた」レニーが言った。
「マギーも同じだ。クライアントを相手に、カルチャーチェンジを起こさせることに怖気づいている。我々もそうだ。そんな根本的なルールから変えようという話をしているのだから、これもまたカルチャーチェンジと同じだ。私の言っていることの意味がわかるかい?いちばんの障壁は市場や製品ではなく、我々自身だということだ。それに対して、これからどう対処していくかだ」
p204「我々はいま、岐路に立たされている」スコットが説明を続けた。「これまでの5年間、我が社は驚異的なペースで成長してきた。いつか、この成長率を維持できなくなる日が来ることは、みんなわかっている。重要なのは、スローダウンすべき時がいまなのか、あるいはこのままこれまでの成長率を維持するためにもう少し努力を続けるべきなのか・・・いま、その決断が迫られている」
ゲイルにはスコットの説明が腑に落ちなかった。「スローダウンしたり、これまでの成長率を維持したりするのを、まるで自分たちの意思で勝手に決められるように聞こえるのですが・・・。市場の客観的な環境は関係ないんですか」
「ああ、そのとおりだ」スコットが答えた。「どうするかは、我々の手で決めることができる。これまでのやり方を続けることもできる。しかしその場合は、市場が急速に飽和状態に近づきつつあることを、まずはっきりと認識しなければいけない。逆に、これまでのやり方を刷新することもできる。これには大きなリスクが伴う。だが、はっきりとしたビジョンと勇気、それに何としても変化を起こすんだという確固たる決意があれば、市場には無限の可能性があると思う。これまでに私たちがやってきたことは、この先の無限の可能性に比べれば、取るに足らない」
p207「ああ、ゲイルそのとおりだ。これまでのやり方では、もちろん絶対無理な話だ。しかし今後も成長し続けるという選択肢を取るなら、これまでとまったく違う戦略と戦術が必要だ。変化が求められる」
「どんな変化です?」ゲイルがつっかかるような口調で訊ねた。
「単にテクノロジーを販売するという考え方から、バリューを販売するという考え方への切り替えが求められる」スコットはきっぱりと答えた。
p210「レニーがさっき言ったとおりよ。全員が同じ目的意識を持っていて、結果を出すことにすべてが向けられていたの。これまでとはまったく違うわ。コンピューターのデータを正確にすることが目標ではなく、結果を出すことが目標だったの。<ドラムバッファーロープ>のいいところは、みんなの目的意識を一つにして努力を集中できるところよ。本当に大切なのは何か、それをはっきりと認識させてくれる点ね」
p229マギーが特に気を配ったのは、「スケジューリング/実行」プロジェクトに充てられたスタッフ全員に何が重要なのか正しい認識を植え付けることだった。「スケジューリング/実行」プロジェクトはコンピュータ画面の体裁をよくしたり、レポートを見やすくするのがいちばんの目的ではない。重要なのは利益を向上させるために、必要なときに必要とする人のところに、適切な情報を用意することだ。システム・インテグレータにとって、これは大きなパラダイムシフトだった。この意識改革はまる一週間かけて行われた。最初の二日間はTOCコンサルタントが、残りの三日間はレニーが担当した
p298「わかったかね、ゲイル。我々のテクノロジーを用いれば、確かに限界は取り除かれる。しかしこうした限界が存在することで自然発生的に作られたルールについては、我々はつい最近までまったく無視してきたんだ。どう取り扱ったらいいのか、まったく考えもしなかった。(中略)「テクノロジーの”物理的な”限界を取り除くだけでは不十分だ。たとえ表面的には取り除かれたとしても実はまだ存在している。ルールが変わらなければ完全になくなることはない」「バリューを実現する、つまり利益を増やすためには”テクノロジーは必要だが、それだけでは不十分”(Necessary but not sufficient)ということだ。今年になってから、私たちはクライアントに対しバリューを提供することに傾注してきた。もはやテクノロジーだけにとらわれていない。クライアントに対し潜在的なバリューを実現し提供するにはどんなことだってする。たとえそれがソフトウェア会社としての活動の範囲を超えていたとしてもだ」
p302「180度方向転換するのは結構ですけど、それがどんなに大変なことかわかってますか。とにかく時間がかかります」「テクノロジーの販売からバリューの販売に切り替える。そのためにはすべての関係者、つまりシステムエンジニア、営業スタッフ、インプリメンターすべてが認識を共にして一緒に切り替えようとする努力が必要だ。」

チェンジ・ザ・ルール!

チェンジ・ザ・ルール!